1月23日「子ども若者たちの『自分なりの満足』『これでよい』を大切に」

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 21日の「引きこもり講演会」では、「『生きづらさ』を生きる子ども若者たちに今私たちは何ができるのか」のテーマで鳴門教育大学森田洋司特認教授から、お話を聴かせて頂きました。

 「不登校」についての話題が中心のお話でしたが、今後の取り組みとして、踏まえておきたいことのいくつかのポイントを抽出させて頂きました。

▼子ども若者たちの問題についての基本認識として、全ての子どもに配慮し、その子らしさを大切にする社会へ
 社会的自立や他者への信頼・社会性などの発達に不可欠な自己肯定感の育みが必要である。

▼問題対応から支援や成長につなげる指導支援への視点の転換

▼背景に目を向ける
 組織的な支援と子供の状態に応じて関係機関やNPO専門家などと連携共同することの必要性の認識と積極性が醸成される。

▼不登校とは、多様な要因・背景により結果として不登校状態になっていると言うことであり、その行為を「問題行動」として判断してはならない。

▼不登校児童生徒が悪いと言う根強い偏見を払拭し、学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い、共感的理解と受容の姿勢を持つことが、児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要であり、周囲の大人との信頼関係を構築していく過程が社会性や人間性の伸張につながり、結果として児童生徒の社会的自立につながることが期待される。

▼自己肯定感は、自分の中の基準に照らして自分を受容し、「自分なりの満足」「これで良い」と言う感覚を形成していること。
 他者や社会的な基準を内在化することで獲得する優越性と切り離せないが、単なる優越性ではなく、自他に対する理解ができ、自分の否定的なところも受容しているところに違いがある。

▼諸外国と比べわが国の子どもたちは、学力がトップレベルであるにも関わらず、自己に対する肯定的な評価(自己肯定感)が低い状況にある。
 将来の日本を担う子どもたちが、自分の価値を認識して、相手の価値を尊重するとともに、リラックスしながら他者と協働して、自分の可能性に積極的に挑戦し、充実した人生を歩めるよう必要な対応策を検討する必要がある。

▼これまでの「減点社会」から現存在を肯定する「加点社会」へと転換しなければならない。
 人としての存在、今あるその人の存在そのものを肯定し、そこからどう伸びていこうとしているのかを褒めることによって、子どもの体力をつける。
 本当の誇りと自信は、他の人と比較することでは得られない。

▼絆づくりと居場所づくりに不可欠な「ソーシャルポンド」は、従来のような集団が個人を組み込み全体化する力も重要だが、個人から社会的な場や他者へ投げかける「意味付け」の糸の束が重要な意味を持つ社会。
 糸が細くなっているのが、今の社会ではないか。
 仕事のしがい、成就感、それぞれの場で生きていることや存在していることの証し、自己肯定感、生きがい、他者の評価や期待、社会的有用感などが意味を持つ社会。

▼減らない不登校と言う現象を前にして要因・取り組みの見直しが進む。
 対人関係不全、学力の二分化、特別支援、虐待、家庭の状況や教育力の低下、生活利便性、生活習慣の乱れ、直接体験の欠如、社会性や公共的価値観の弱まり、義務教育の観念の揺らぎ等々が新たな取り組みの課題として登場する。

▼不登校は、もはや特定の子どもにだけ焦点を当てた支援方策では限界がある。
 子どもたちの中に広がっているグレーゾーンと不登校気分(登校回避感情)にどう応えるかが問われている。

▼一人ひとりのニーズと課題に対応したソーシャルボンドの形成。
 学校教育と子どもたちとをつなぐ意味付けの糸の束(ソーシャルボンド)の弱まり、切断と言う「準備状態」に「きっかけ」要因が加わり、つながりが切断されていくと言う説明モデルの「標準状態」にメスを入れることが不登校を生じさせないための重点方策となる。

▼無理をして登校しなくても良いような居場所と絆づくりが必要。

▼不登校についても、その原因の表れ方も多様である。
 原因は分かるにこしたことはないが、原因探しはほどほどにしなければならない。見立ては大切だが、原因探しが二次被害につながることに留意すべき。

▼不登校支援の目標は、将来的に精神的・経済的に自立し、豊かな人生を送れるよう、その社会的自立に向けて支援することである。
 これまでは不登校問題を心の問題として捉え、そこに問題を見出し、これを解決することを目的として支援・方策を立ててきた。
 しかし、心の問題の背景には「進路形成の問題」がある。
 「心の問題」が、どれほど深刻になっていくかは「進路形成の問題」がうまく改善できていくかどうかに関わっている。

▼自立に向けた支援の留意点として以下のことが考えられる。
○学校復帰だけを考え「学校に戻すこと」に過度にこだわったり、反対に「登校刺激」に対する過激な反応や畏れ、腫れ物に触るような対応は禁物。
○不登校の時点では、本人は精神的につらい状況にあり、一方的な登校指導のみで追い込むことは適当ではないし、本人も望んではいない。
○しかし、生徒自身の卒業後の経験や振り返っての自己評価を見てみると、学校を含めた社会的な集団会への参加に向けた支援を全く行わないのは、結果として本人の利益を損なう可能性もある。
○登校しやすい学校環境を整備し、本人の状態に応じてある程度の幅を持った時間の中で適切な登校支援を柔軟に加えていくことが必要。
○学校教育は、子どもたちを社会に繋げ、明日の社会を担う人材をはぐくみ社会へと参加させていく営み。
○不登校への支援も、社会参加と自分づくりをどう支援していくか、長い人生の中に不登校の経験をどう着地させていくのかというより大きな視点からの働きかけが必要である。

▼切れ目のない支援が必要であるアセスメントについては丁寧に行うこととここの状況に応じた組織的計画的な支援の実施へとつなぐ体制の構築が重要である。

 などなど、時間の関係でいじめ問題について考えることについては省略されたが、これまでのいろいろな考え方が整理されたように思います。
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Author:sigeo0716
高知県議会議員。所属会派「県民の会」。
社民党・新社会党推薦。現在、四期目。
「憲法の精神を県政のすみずみに-希望・豊かさ・安心の県政を」を目指して、頑張ります。
趣味はプロレスを中心に格闘技TV観戦。上方落語・漫才鑑賞。

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